銭ゲバ

作者 ジョージ秋山
掲載誌週刊少年サンデー
掲載期間1970年13号~1970年35号
1970年37号~1971年6号
話数全44話
巻数全5巻
設定★★★
キャラ ★★★★
ネーム★★★★★
画力★★

『銭! 銭があれば ばかにされないでいいズラ。 日本一銭をためるズラ。』

作品解説

父親が他に女を作って家を出てしまい、蒲郡風太郎は母親と二人きりで暮らしていた。家が貧乏な上に、容貌も不気味な風太郎は、同級生達からいじめられる存在だった。そんな中、母親が病気にかかってしまうのだが、治療費が出せずに母親は死んでしまう。お金がなかったことで最愛の母親を死なせてしまった風太郎は、以来、金に異常に執着するようになり、お金のために優しかった近所のお兄さんをも殺してしまう。そして成長した風太郎は、大昭物産社長のハイヤーに自らぶつかっていき、社長と関係ができると、そこから大昭物産を乗っ取るために動き出すのであった。
金のためなら人の命もなんとも思わないという、悪役としてもどうかというキャラが主人公の異色サスペンス漫画。極悪としかいいようのない主人公だが、それを取り巻くキャラたちも一筋縄ではいかないキャラばかり出てくる。何人か出てくるかけがえのない善良なキャラは、主人公に次々と殺されてしまうという驚愕の展開。そんな主人公にもかかわらず、世の中お金がすべてだと開き直る姿の中に、共感してしまう部分も描かれている作者の達観した視線が素晴らしい。そして、読者をも巻き込む強烈なラストに、ただただ呆然とするしかない。

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