マコトの王者

WBC世界ウェルター級タイトルマッチが、絶対王者の天堂誠と新進気鋭の天才・大地真の日本人同士で行われた。試合は第9ラウンド、両者の拳が交わってダブルノックダウンの末、大地真が立ち上がり新チャンピオンとなる。しかし、立ち上がった大地真は、自分がマットに倒れている光景を見て驚く。大地真と天堂誠は最後のダブルノックダウンの際に体が入れ替わってしまっていた。金持ちのエリートだと思われていた天堂誠は、実際には資産家の父親ともうまくいっておらず、更には年齢もあり体のあちこちが故障している状態で戦っていたということを、入れ替わった大地真は初めて知る。同じように大地真が、親がいないために狭い部屋で兄弟を養うために必死で戦っていたことを天堂誠は知る。お互いに納得がいっていない試合結果もあり、ふたりは再び拳を交えることを約束するのだった。
ボクシングのチャンピオン側と挑戦者側（体は入れ替わる）を同時進行で連載して、コミックも別々に出すという、企画としては斬新で面白いボクシング漫画。でも、この企画でやるなら体が入れ替わるという要素を失くして、二人の生活をじっくり見せたほうがよかったのでは。コミックの表紙が赤と青で一対になっていて、カバーを外しても別の一対の絵になっている。作者のデビュー作。