巨人の星

作者 | 川崎のぼる |
原作者 | 梶原一騎 |
掲載誌 | 週刊少年マガジン |
掲載期間 | 1966年19号~1969年50号 1970年3号~1971年3号 |
話数 | 全235話 |
巻数 | 全19巻 |
設定 | ★★★★ |
キャラ | ★★★★ |
ネーム | ★★★★★ |
画力 | ★★★★ |
『巨人軍という星座へのぼっていくのはえらばれた人間だ えらばれた人間は他人の知らない苦しみに耐えねばならん』
かつて読売ジャイアンツの選手だった父・一徹の英才教育で、星飛雄馬は毎日が野球のための特訓の日々であった。父が開発した「大リーグ養成ギプス」をつけて生活をする飛雄馬の潜在能力に、ブラック・シャドーズ率いる花形満が目をつける。飛雄馬の本当の力を目にした花形は、野球の試合をすることになる。
国民のほとんどの人が、内容は知らなくてもタイトルは知っているという国民的作品。でも、タイトルやイメージと違って内容的には全然野球漫画じゃないということを知っている人は少ない。確かに野球はやってはいるが、描写的にも全体の半分にも満たないくらいで、特に前半は、特訓ばかりでほとんど野球の試合なんてしない。こと内容となると、水島先生も「野球じゃない」と言っていたように、野球という舞台を借りた格闘技漫画と言った方がよいくらいで、とにかくボールを人にぶつけるというのがすべての基本の考え方になっている。
物語としては、特訓による技の習得→技の謎の追求→謎の解明→敗北と挫折→奮起して特訓→技の習得(以下リピート)というパターンで成り立っている。そしてこれこそが、この作品を人気作にした最大の要因で、その証拠に、以降の週刊連載漫画が次々とこのパターンを踏襲していることでもわかる。謎で引っ張るという手法が、週ごとに興味を持たせなければならない週刊連載漫画にピタリと合ったのだろう。単行本という概念が少なかった当時は、何週間も前の話なんて読者も覚えてないので、つじつまが合わなくても、荒唐無稽でも、とにかく来週への引っ張りが大事だったのです。これは今現在でも連載漫画が抱える宿命といえるだろう。
また、敗北と挫折による主人公(および読者)へのストレスというのも連載漫画に重要な要素で、それが解決されたときの開放感が人気に繋がるということもある。こういった今では当たり前となった、いわゆる連載少年漫画の王道パターンを作ったということだけでも、偉大な作品。
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