1982年

この年は、これぞという作品がありませんでした。そんな中で、ジャンプはいわゆる三大要素と呼ばれる努力・友情・勝利を漫画の形式として確立していきます。それは、①努力による必殺技の習得、②主人公にない魅力を持った脇キャラの登場と友情の証として一緒に行動する、③勝利が明確な目標となるようなトーナメントなどの形式、という形です。これは『リングにかけろ』の途中から確立していった形式ですが、次作の『風魔の小次郎』では確信的に導入されています。具体的にいえば、5対5などの複数人対決で、必殺技を武器にトーナメントを勝ち上がっていくということです。そしてジャンプは、他の漫画でも、なかば無理やりにでもこの形式を当てはめることで人気作を連発していき、怪物雑誌へと成長をしていきます。

そんな1982年に連載され、このサイトで紹介している作品の中から漫画史的に重要な作品、単純に面白いと思う10作品を選びました。

第1位 風魔の小次郎 …ジャンプの三大要素を確信的にとりいれた人気作。形式を外したとたんに失速してしまう。

第2位 Oh!透明人間 …男子なら一度は妄想したことのある夢の設定をそのまま漫画にしたエロコメ漫画。

第3位 玉鹿市役所 ええじゃない課 …一時代を築いた作者の、久々のヒット作品。主人公のキャラ(顔)が良い。

第4位 コスモス★エンド …本格的なSFを描いた硬派な作品。

第5位 よろしくメカドック …レースとかではなく、車自体への愛を描いた自動車修理工場漫画。

第6位 GU-GU ガンモ …しんちゃんに抜かれるまで、素人がやる、声マネNo.1を誇ったアニメにもなった漫画。

第7位 コータローまかりとおる! …長期連載となった学園もの。超巨大学園という設定は他の漫画でも多用された。

第8位 火の玉ボーイ …曲名が話のタイトルになっている、いろいろなスポーツなどで勝負する漫画。

第9位 プラレス3四郎 …ブームであったプロレスとガンプラを足したいいとこ取り。

第10位 やぶれかぶれ …政治家に立候補してみた!というユーチューバ―的なノリの衝撃的な巨匠漫画。