サーキットの狼

作者 池沢さとし
掲載誌週刊少年ジャンプ
掲載期間 1975年1号~1979年32号
話数全230話
巻数全27巻
設定★★★★
キャラ ★★★
ネーム★★★
画力★★

『車をブッとばしているときだけさ 今のオレに生きてるって感じが 体につたわってくるのは!』

作品解説

一匹狼の走り屋・風吹裕矢は愛車ロータス・ヨーロッパを駆り、巷で「ロータスの狼」と呼ばれていた。街でナンパされているミキを見かけた風吹は、ナンパしていた男とのシグナルレースですんなり勝ち、そのままミキとデートする。またある日、悪名高いポルシェの暴走族・ナチス軍に喧嘩を売った風吹は、総統である早瀬佐近と、首都高速でロータス対ポルシェの勝負をすることになる。
スーパーカーブームを牽引した大ヒット作品。それまでも話題になった漫画作品はいくつかあったが、ブームと呼ばれるほどに話題になった漫画はこれが最初。編集部には反対されていたという作者念願の車ものだが、そのマニアックな車の解説やあまり上手とはいえない絵で描かれるレースシーンよりも、ロータス・ヨーロッパやデ・トマソ・パンテーラといった車が多数登場することこそが、人気の最大の理由だったと思われる。要するに、なるべくたくさんの車の名前を覚えたいというオタク心(男なら誰もが持っている)を刺激してコレクションに走らせ、コミックの売り上げやオモチャの売り上げに繋がった。なので、オタク要素(当時はそんな言葉や概念すらなかったが)は金になる、ということを知らしめた最初の作品ということもできる。それにしても、少年誌でナチス軍とかのネーミングが出てくる漫画が連載していたこの頃の日本は、全世界の中で、歴史上の中においても、一番表現の自由が許された時代だったのではないだろうか。

関連作品 『モデナの剣』
『21世紀の狼』
連想作品
前作風!花!龍!次作 『ダイヤモンドスター』
文庫版MCC版復刻版
全3巻全19巻全3巻