漂流教室

作者 楳図かずお
掲載誌週刊少年サンデー
掲載期間 1972年23号~1974年27号
話数全105話
巻数全11巻
設定★★★★★
キャラ ★★★★
ネーム★★★★★
画力★★★★

『それまでの ちょっとしたできごとの数々が 強い意味をもって浮かびあがってくるのです』

作品解説

大和小学校の6年生・高松翔は、ささいな事で母親とケンカをしたまま学校に登校する。母とのことを気にしつつ授業を受けていた翔であったが、突然の激しい地震に襲われる。揺れはすぐに収まったが、学校の外は岩と砂漠だけの荒れ果てた大地になってしまっていた。その荒廃した世界の正体は、文明の崩壊によって滅んだ未来の世界だった。そして、その世界の中で子供たちだけのサバイバルが始まる。
突然よくわからない世界でのサバイバルを強いられるという、デス・ゲーム的な漫画作品で(特に最近)よく目にする設定の元祖でもあり、この分野においてはこれ以上の作品は生まれないだろうという究極の大傑作。荒廃した未来(デストピア)という概念もこの作品によって広く知られることになり、影響を与えた作品の数は計り知れない。連載当時は、かなり突拍子もないと思われていた作品内の数々の出来事も、時間が経つにつれて理解度は深まってくるという驚嘆すべき先見性。まさに、時代が作品にやっと追いついたということであり、今こそ見るべき作品である。そして、安易なハッピーエンドにしないどころか、シニカルな結末ですらない読者の予想の遥か上をいくラストの素晴らしさ。未来あるすべての子供たちに読んでもらいたい、小学校の教科書にすべき、神掛かっているとしか思えない大傑作。

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前作アゲイン次作まことちゃん
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